PFI制度 | 木村義雄(きむらよしお)公式サイト

PFI制度

PFI制度

PFI制度とは

PFIとは、正式名称をPrivate Finance Initiativeといい、1992年にイギリスで生まれた公共事業に民間企業の経営理念や資金・ノウハウを活用し、住民に満足のいく公共サービス(公共施設や設備の設計から施工、管理や維持、運営など)を効率よく低コストで提供する制度です。

内閣府の資料では「庁舎や公営住宅、学校、上下水道等の整備等にあたって、従来のように公共団体が設計・建設・ 運営等の方法を決め、バラバラに発注するのではなく、どのような設計・建設・運営を行えば 最も効率的かについて、民間事業者に提案競争させ、最も優れた民間事業者を選定し、設計から 運営までを行わせ、資金調達も自ら行ってもらう制度」とされています。

日本では1999(平成11年)に「PFI法」が施行され、昨年改正法案が可決・成立しました。

日本の経済を活性化させる景気回復策を
打ち出したいが、財政が厳しい。

私が政務調査会の副会長を務めていた時のことでした。同会長の山崎拓先生から質問を投げかけられたことがきっかけで、PFIの実現のための調査や推進活動は始まりました。

その質問とは「日本の経済を活性化させる景気回復策を打ち出したいのだが、財政が厳しい。この矛盾を解決する方法はないだろうか」というものでした。私は党内でも屈指の政策通で勉強家の山崎先生に「PFIは極めて有効な政策手段であると思います」と申し上げ、各種資料をお渡ししたのです。山崎先生はすぐに私の提言を支持してくださり、PFI推進法の制定を具体的に検討する数々の適切なアドバイスをくださいました。

官が運営している限り、高コスト構造はなかなか是正されません。しかし厳しい財政運営を強いられている国や地方自治体の財政状況を変えていくには、低コストで実現できる新しい制度が必要なのです。私はPFIこそがより少ない財政負担で経済を刺激し、さらには経済インフラの整備や住民福祉を充実する手段であると確信していたので、積極的に法案づくりに取り組んでいきました。

努力の甲斐があり、PFI法は1999年(平成11年)7月に制定され、同年9月に施行、2000年(平成12年)3月には「基本方針」が策定されました。
その後私は、自民党のPFI推進調査会長に就任し、より良い制度になるよう細部に渡り制度の調査をし、積極的に法案づくりに取り組みました。

山崎先生にご質問いただいた時に、なぜ私がPFIを思いついたのかというと、それは2つの話がヒントになっていました。 一つ目は江戸時代の商人と殿様の話です。当時商人は殿様から河川沿いの土地を譲り受ける代わりに、国のために堤防の整備や維持管理、また橋の整備などの河川の管理を行わせました。
殿様の立場から見ると、民間の資金とノウハウで我が領土の河川事業の整備を自分の懐を痛めることなく行えるというわけです。

PFI事業は、税収が伸び悩み社会保障関係費は増え続けていくという状況の中でもインフラ整備等に対応できるため、この商人と殿様の話のように、税金を使わずに公共事業に取り組める制度だと思われがちですが、本当の目的は、公共事業に民間企業の経営理念を取り入れて、低コストで質の良い公共サービスを提供することなのです。

民間の発議で公共事業を作ることが、
厳しい財政の中でも経済対策につながると確信した。

二つ目のヒントは、イギリス・フランスへの視察でPFIによる道路や橋の整備を見ており、制度としてのメリットデメリットを知っていたからです。
これらのことから民間の発議で公共事業を作ることが、厳しい財政の中でも経済対策につながると確信し、提案に繋がったのです。

制度を新たに作るというのは、皆様のご想像通りかなりの苦労がつきものです。詳しくは申し上げられませんが、新制度の成立までには、一部の政府系の事業者から猛烈な反対が起こり、日々私は関係各所に説明と説得にまわるのが大きな仕事の一つだったのです。

あれから18年が経過し、平成29年度のPFI事業の実施方針公表数は666事業、契約金額は累計で58,279億円にもなりました。
ここまで事業数が増えたというのは、PFIが時代に合う政策だったと言えるのではないでしょうか。より良い国作りのための法案・新制度に貢献できたと思いますと、当時の苦労などはどこかへ吹き飛んでしまいます。

PFI法の改正により
「公共施設等運営権制度」
「民間事業者の提案制度」等が
新たに導入されることになりました。

今後PFI事業はますます活性化し推進されることと思います。空港や上下水道の整備、震災等の復旧復興にも適用されることが期待でき、民間の優れた経営理念や資金・ノウハウは、社会インフラの整備にさらに力を発揮してくれるものと期待しています。

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