木村義雄氏の出身地、香川県といえば旧讃岐国。讃岐といえば、まず浮かぶのが「讃岐うどん」。 味の良さは、うどんに適した良質の小麦粉を材料に土三寒六(夏は塩一に水三、冬は塩一に水六)という独自の塩加減から生まれ、麺はコシが強く艶があるのが特徴だ。
「うどんの場合には、コシの良し悪しで美味さが決まるけれど、このコシの良さはね―」
  話が讃岐うどんに及ぶと、木村氏は嬉しそうに目を細め言葉を続けた。
「粘りゴシじゃないんだよ。のどを越したときの良さ、すなわちのど越し、これが讃岐うどんの良さなんだ」と微笑む。
  小泉総理に舌鼓を打たせた、この讃岐うどんは、水や塩加減、麺の太さも家々で違うが、旨い讃岐うどんを育ててきたのは、小麦の栽培に適した香川の気候・風土と、手打ちうどんの技を伝えてきた人々だ。家庭で育ったうどん作りを次の世代に伝えようと、各地でうどん教室が開かれている。
  香川は「讃岐うどん」とともに、魚好きには堪えられない魚天国でもある。瀬戸内海から獲れたての四季折々、旬の地魚が驚くほど安く手に入る。それも「いただきさん」という行商人が、リアカーに鮮魚を積んで戸口までやって来て、頼めば料理の下ごしらえまでしてくれるという。
  なぜ「いただきさん」と呼ぶのか。話は650年前に遡る。南北朝の騒乱で敗れた後醍醐天皇の皇女「糸より姫」が西浜(現高松漁港付近)に流れ着き、この地の漁師と夫婦になった。姫は、暮らしを助けるために魚を売り歩いたそうだが、その際に魚を入れた桶を頭に乗せた(いただいた)ことから、この呼び名がついたのだとか。「さん」付けで呼ぶのは、この高貴な姫への畏敬の念によるものだろう。これからはマナガツオ、スズキ、カタクチイワシ、小アジ、べラなどの地魚が漁師の奥さんが務める「いただきさん」によって運ばれてくる。由緒ある「いただきさん」は、「天然の生け簀」と呼ばれる瀬戸内海を控えた香川の鮮魚文化の伝導師と言える。木村氏も地元に帰ると「いただきさん」のお世話になっている。
  趣味は旅行、読書、高性能双眼鏡で星を眺めること。
  座右の銘は「意志あるところ道は通ず」。
  香川県さぬき市津田町出身。連続当選7回

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